立春と、啓翁桜と、偉人の詠と。
2020年2月5日
2月4日大安は「立春」。
暦では春。
これからは寒さも緩んで、日に日に暖かさを感じる季節。
気が付けば、ずいぶんと夕方が長くなったことを実感できるのもこの時期。
春の訪れを祝って、ロビーには山形特産の「啓翁桜」を。
「啓翁桜」の後ろに、詠が一首。
折角ですので、ご披露させていただきます。
にごる世の 堰のこと
成らずんば 清き流れの
名をや 残さん
黒沢の住人 三代與平治
当、黒沢温泉のある黒沢を含むこの一帯は、
蔵王を東に仰ぎ見て、
その恩恵にもあずかれば、
その自然の驚異に畏怖を覚える土地でもあったようです。
「蔵王山」は現在も活火山で、
その地熱は、温泉として
山に降る雪は、雪解け水になり豊かな水を山裾の人々に、
多くの恵をもたらしてくれます。
一方、
火山が噴火となればその影響も。
190年ほどまえの天保二年(1831)の蔵王大噴火で流れ出た噴出物が河川に流れ、この一帯の稲作に大きな影響を与えた様です。
それぞれの村々が生き残るため、対立することも当然あったでしょう。
そのような混乱した中、
自身の命をかけて、川下の村々が生きるため、、
その水を確保するため、なんと一晩で、堰(用水路)を掘削した指導者がいらっしゃいました。
その堰は、「明神堰」としていまでも、この南山形地区の農業を支える恵の水をもたらしてくれます。
混乱の中において、
自身の命もかえりみず、村々の人のため、そして将来につながる事業を成す。
そんな、郷土の偉人を誇りに思います。
私も、ささやかながら、
愛する故郷を次の世代にのこせるよう努めていきたいと思います。
黒沢温泉喜三郎